-------- --:-- | カテゴリ:スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2014-07-08 16:33 | カテゴリ:少年陰陽師
一日過ぎてしまったけれど。

少陰で七夕SS!

久しぶりに書いた。

なんか分かんなくなった。

見切り発車で書いた昌浩と彰子の事を想うもっくん←

まぁ、なんかグダグダですが。

まだ、見習いの昌浩と、安倍家に居る彰子の話しです。

んじゃ、どうぞ!

time travel!

空を見上げれば星の河が流れている。

年に一度だけその河に橋が架けられる。

その橋を、一人の青年は渡り会いにゆく。

河の向こうで待つ人の元へとゆっくりと牛車を引いて。



「遅くなっちゃったね」

「そうだな。早く帰らないとまた彰子が心配するぞ」

「それは困る」

「なら急げ」

そう声を掛ける前に走りだした所為でうっかり肩から落ちかけてしまう。

まったく。

そんなに心配を掛けたくないのならもう少し早く帰れるようにすればいいのに。

まだ子供だ。

夜はしっかりと眠っておかなければダメだとどんなに言ってもこの子供は言う事を聞くことはない。

都の様子をしっかりと自身の眼で確認しなければ落ち着かないのだろう。

半人前のくせに心がけだけは一人前だ。

「あれ?……」

「ん?」

もうすぐ一条戻り橋という手前で男が一人たたずんでいる。

じっと橋を見つめて動かない。

「何してるんだろう」

特に妖気を感じないので問題もないだろうが、屋敷の近くとなれば話は別だ。

安倍の屋敷には晴明の結界があるとはいえ、祓える者はあるべき場所へ帰してやるべきだろう。

「なんだかとても悲しそうな眼をしているね……」

ゆっくりと近づけば、青年は小さく言葉を発しているのが分かる。

なんだ?

『恋しい……恋しい……』

恋情を捨てきれず彷徨っている霊は後に想いを募らせ相手を襲う可能性もある。

今は危険がなくともいつかは……。

「昌浩」

「分かってる。でも、まだこの人を救うことは出来るんじゃないかな」

「だがしかし」

「この人、逢いたい人が居るんだよ。だから……探してあげたいんだ」

少しだけ陰った顔が直ぐに決意の表情に変わる。

言い出したら聞かないのは誰に似たのやら。

こっそりと恨めし気に屋敷に眼を向けてみるが、そこには誰も居ない。当たり前だが。



「昌浩?」

橋の下に青年の霊を連れて降りてしばらくすると彰子が顔を覗かせた。

「彰子!?なんでここに」

「私が連れてきた。天一がお前が外に居るのに戻って来ないのに気が付いたんだ。様子を見に行こうとしたのだが」

「私がお願いしたの。何かあったんじゃないか心配になって。玄武と勾陳が一緒に来てくれるって事で晴明様には許しを貰ったわ」

彰子の後ろには玄武が立っていた。少し向こうの屋敷の入り口には天一と太陰の気配がある。

そこまでする位なら大人しく屋敷の中に居させればいいものを。

『恋しい……恋しい……』

彰子が青年の霊を見て眼を細めた。

「なんだかとっても悲しそう……どうしたのかしら」

「多分、向こう側に会いたい人が居るんだと思う。けど、なんでかこの人は向こう側に渡れないみたいで」

さっき橋を渡ろうとしたら何かに弾かれたようになったのを思い出す。

この青年の霊はずっと河の向こうを見つめている。

「……昌浩」

「あ、六合お帰り。どうだった?」

河の向こうの様子を見に行っていた六合が戻ってきた。

「よう、居たか?」

「あぁ」

短く答えた六合は河の向こう側を指差す。

「少し距離はあるが、右京の端にある河のほとりの橋の所に女の霊が」

どうやらあちら側にも女の霊が居るらしい。

もしかしたらその霊はこの青年の霊が探している相手かもしれない。

ずっと違和感があったのだ。

普段は橋にそんな結界の様なものは張られて居なければ、この青年の霊も見たことがない。

あちら側にも変わったことは無かった。

それがこの日に限って。

もうすぐ子の刻

日付が変わる。

もしかしたら。

そんな想いがあった。

「昌浩……送ってやる準備をしろ」

「え?」

「彷徨える男女の霊をまとめてあちら側へ送ってやれ」

次の瞬間、河が淡く光りだす。

時は子の刻。

小さな蛍火が舞い上がり、ゆっくりと河を覆い尽くす。

「これは……」

「きれい……」

蛍火は河の幅を大きく広げ、広大な川となる。

そして、ゆっくりと向こう側へと橋が架かった。

『恋しい……恋しい……』

青年の霊の前に架かった橋をゆっくりと渡り始める。

橋の真ん中には一人の女の霊が立っていた。

多分、先ほど六合が見つけた女だろう。

大きな橋の上で二人の霊が出会う。

涙を流しながら。

「昌浩、送ってやれ。一緒に送ってやれるのは今しかないはずだ」

「うん」

昌浩がゆっくりと刀印を結ぶ。

昔、晴明に聞いた話だ。

大陸には働き者の青年と少女が恋に落ち、そして仕事も手につかなくなったと。

その二人を引き離すため、川に架かった橋を落とし会え無くした。

それでも二人は仕事をすることなく、泣き続けた。

見かねた少女の父は年に一度だけ会う事を許し、橋を架ける許可を与えたという。



その二人が目の前の霊なのかは知らない。

だが、俺の前に居るこの二人にはそんな先をたどって欲しくはない。

昌浩も彰子も……。

考えすぎかもしれないが、この先どうなるかなんてわからない。

彰子は天命を曲げてしまった。

ずっと安倍家で過ごせる保証はどこにもない。

共に過ごせる時間は大切にして欲しいと思うのは老婆心からと言われても仕方ないんだろうなぁ。



「二人はこれからはずっと一緒に居られるのかしら……」

「多分、大丈夫だと思うよ」

天に昇る光を見つめる幼い二人が、ずっと共に過ごせるように。

外堀を埋めるのは他の奴らに任せて、俺はこれからもずっと傍で護ろう。

お前たちの為に、俺はここに在ると決めたのだから。
スポンサーサイト
秘密

トラックバックURL
→http://81315.blog112.fc2.com/tb.php/402-5d5fdc59
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。